「御言葉と共に歩む」12/15 説教
婚約中のマリアが突如妊娠した、というニュースはヨセフを大いに悩ませた。ヨセフ自身にはまったく身に覚えのないことだったからである。マリアは天使ガブリエルのお告げを受け、聖霊によって身ごもることが伝えられていた。しかしヨセフはそのことを信じきれない。もしかしたらマリアが不貞を働いたのではないか、という考えが脳裏をよぎるのである。
“もしかすると彼女の言っていることは嘘じゃないかもしれない。いやでも騙されているだけかもしれない”マリアを信じたい気持ちと信じきれない気持ち、この二つの気持ちで揺れ動く中で、ヨセフが出した答えは“ひそかに縁を切る”というものであった。
しかし神はここで二人が別々の道を歩むことを許されなかった。神は主の天使を遣わされ、ヨセフに“恐れず妻マリアを迎えいれよ”と命じた。ヨセフの答えを打ち砕かれ、ここではっきりとマリアに神の業が現れたのだと確信させるのである。ヨセフが進もうとした別々の道はもはや消え去った。神の確かな言葉によって導かれて、進むべき道が見えたのである。ヨセフにもはや恐れはない。神の言葉がこのヨセフを包み込み、共に歩んでくださるからである。主イエスはそのヨセフとマリアの御言葉と共に生きる歩みのうちに、お生まれになった。
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